コロナの影響で初日が3か月半遅れ、やっと幕が開いた!!と思ったとたん休演になった劇団四季のマンマ・ミーア横浜公演。
現在も感染と闘いながら、また舞台が再開されています。
私はこの作品から本当に元気をいただいてきました。
今、私は観に行くことはできませんが、過去記事を紹介いたします。
以下、2015年に初めて堀米さんのハリーブライトを観た時の記事です。劇場に想いを馳せつつ・・・


ゴールデンウィークに名古屋のマンマ・ミーア!に行ってきました。

全体的な感想は後で書くとして、まず一番気になっていた堀米聰さんのハリー・ブライトについて書きたいと思います。(長文になる予感)
かつてのチルチル、ユタ、エンジェルなど、純粋な青少年役を一手に引き受けてこられた方が、20年以上経っていったいどんなハリーになるのか
・・・この役、とてもお似合いでした!!
堀米さんの温かくて優しい持ち味が、役とマッチしているので、自然な感じです。

見た目も合っています
ハリーは銀行マンだから、こんなふうにきっと色白で、よい家の育ちという雰囲気で、黒ぶちメガネの奥の目は優しそうで。
ジャケットもお似合いでした。

そして役柄的にも、ドナを優しく気遣っているのだけれど、どこか唐突で(衝動的って言われていますね(笑))、ちょっとズレていて、でも憎めない、愛すべきキャラクターになっています。天然の可愛らしさがありました。

マンマ・ミーアのストーリー自体、ハッピーエンドではありますが、途中は色々重たい深刻な言い合いが多いですよね。
そんな中、堀米さんハリーが出てくる度に微笑ましくて、ほっと癒されました。

具体的に。

堀米さんは、昔から気合が入ると高い声が出るのですが・・・

ビルのインタビュー中にギターを見つけ、「ビックリ仰天だなあ!」と叫ぶ声のトーンの高いこと!(笑)

♪Thank you for the music♪でギターを弾くところは、大変緊張されているようで、こちらもドキドキ。

我こそはソフィの父親だと思い込み、バージンロードを「一緒に歩くよ!Yes!もハイテンションでガッツポーズを決めるので、思わずクスッと笑ってしまいました。

突然小切手を渡したりするのも、一生懸命考えた思いやりの結果なのですが、やっぱり唐突。
私が心打たれたのは、そのあと
「大変だったろう。ひとりでソフィの面倒を見るのは。」という台詞。
これまで何度もマンマ・ミーアを見てきていますが、こんなに心打たれたのは初めてでした。

そこで思い出したのが、かつて「夢から醒めた夢」の堀米エンジェルが戦争で死んでしまった子供たちに「大変だったね。でももう心配はいらないよ。」という台詞。
こういう労いの台詞を、本当に優しい気持ちで言える役者さんだと思います。
あれから、もう25年くらい経っているのですが、それだけ生きてくると色々なことがありますよね。
学生時代にエンジェルとして聞いたときより、何倍も重みのある言葉として受け止めました。
「良かった。ここへ来て君が笑ったのを初めて見た。」というのも、張りつめていたドナの心をふっと軽くできる優しさがありますね。

そして、なんといっても一番の癒しは「Our last summer」の歌ですね。
井上智恵さんも、とても優しい表情になり、クロワッサンを食べたり、カーペットに乗ったり、少女のように可愛かったです。
堀米さんが大人の役どころで、主役の方とのデュエットは初めてでした。
昔から優しくて甘い声質なので、とってもお似合いの歌詞だと思いました。
昔より声に張りがあるように感じました。
ドナが、♪あの頃、私の王子様~♪という歌うのを聴き、自分と重なりました。(笑)

ドナが21年ぶりに3人の恋人に癒されたように、私も大変感動し、これまでの苦労が、ふっと癒された気がしました。

ダンスも随所に出てきますが、昔から大変真面目に稽古を積まれてきた方なので、
久しぶりにダンスを見られて嬉しかったです。
(昔、私はウエストサイド物語のジェット団の堀米さんを見ていますから、もっともっと踊りも見たいな~と思いました)

~カーテンコールについて~

ゴールデンウィークでは特別カーテンコールがあったのですが、役者さんたちが客席に降りてきてくださって、なんとお客さんと次々にハイタッチを始めたではありませんか。
もうビックリ&ドキドキ

堀米ハリーは最初、遠くにいたのですが、私は念じました。
たぶん、今日のお客さんの中で、一番古くから応援しているのは私??
どうか、こちらに来てくれますように!!
しばらくして、役者さんたちがどんどん動き、堀米ハリーがついに目の前に!
そしてやった ハイタッチ(キャー!!)
こちらを見て、笑ってくれました。
随分昔から応援していましたが、一度も握手とかしたこともなかったので、大・感・激!!!
ほかにも何人かタッチしましたが、嬉しすぎてあと誰とタッチしたかよく覚えていません。

昔から応援していて、でももう二度と舞台を観ることはないと思っていた役者さんと、こうしてお会いできて本当に嬉しかったです。
年月の重みがある分、学生時代よりも心に沁みました。
私の長い観劇史の中でも、突出して思い出深い日となりました。(2015年5月)