劇団四季「アンデルセン」名古屋公演を観てきました。
タイトルに「悲願の」と書きたくなるくらい久しぶり。
前回観たのが市村正親さんのハンス(1987年)ですから、なんと!30年ぶり~~

この30年間全く機会がなかったわけではないのですが、石丸さんがハンスだった時は子供が小さかったので観に行かず・・・
娘が小学生になったとき、味方さんハンスが近所のホールまで来てくれて、私は喜々としてチケットを取りました。
しかし、あろうことか娘がインフルエンザ
に罹り・・・
本当に舞台を観たかったのですが、誰も娘の看病をしてくれる人もなく、断念。
(バレエを習っているお友達とお母さんにチケットをプレゼントしました。)

あの時果たせなかったアンデルセン観劇を、やっとやっと果たすことができました。

こんなに久しぶりなのに、なんでこんなに舞台を覚えているのでしょう!
自分の記憶力に感心!(笑)

劇中でハンスは色々なお話をして聞かせてくれます^^
♪小さな小さな親ゆび姫 彼女は踊る 彼女は歌う 気にしないチビでも何が悪い 大きな愛がありゃ大きい♪
♪尺取り虫は 花の茎を渡る どこまでゆくのかお前の算数 尺取り虫 お前もいつか 綺麗な花に出会うだろう♪
ワンダフル・コペンハーゲンはもちろん、これらのメロディも口をついて出てくるくらい・・・やっぱり好きなんですよね・・・

30年前のパンフレットと見比べても、舞台セットも衣装もあまり変わっておらず、タイムスリップしたようでした。
時代が流れても同じ舞台を再現できるというのは素晴らしいことですね!

今回のメインキャストは全員「若い方」。市村さんが演じられていたころは、まだ生まれていなかった方がいるかもしれません。(?)
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ハンス・アンデルセンを演じられた竹内一樹さんは、私にとってリトルマーメイド初見時のエリック王子です。最初の印象はとても強くなるので、私の中では「ザ・王子様」(ハンスは鈴木涼太さんとダブルキャストで全国を回っておられますが、どちらも優しくて素敵でしょうね。)
竹内さんは心根の優しい方なのでしょう。この舞台ではハンスの語り部分がとても多いのですが、心に届くように優しい口調で語られて、とても癒されました。
演じながらたくさん汗をかかれていて、全力でハンスとして生きようとされているように感じられました。この舞台を市村さんにも観ていただいて、しっかり受け継がれていることを知ってもらえると嬉しいな~なんて思いました。

マダム・ドーロの小川美緒さんは、とても可愛くて素直な印象。
これまた八重沢真美さんのドーロの印象を根強く持っているのですが、八重沢さんのドーロは、綺麗だけれど近づき難い「高嶺の花」の印象だったので、ちょっと意外な感じでした。小川さんのドーロならお友達になれそうな感じもします。
でもバレエシーンになると、とても目を引いて美しくてビックリ。
小川さんはオペラ座のメグで拝見していましたが、メグはここまで踊らないので、改めてバレエ出身の方なのだと実感しました。

ニールスの吉岡慈夢さんと並んで踊るシーンを観ていると、劇団四季のミュージカルを観に来たことを忘れてしまうくらい(?)本格的なバレエでした。
吉岡さんはとても背が高く、見目麗しいニールスです。
プログラムにはアンサンブルとして出ていますので、大抜擢ですよね。
稽古に妥協せず、声色を強めたりするシーンも好演されていて、きっとこうやってバレエに向かい合ってこられたのだろうと感じました。
とてもお似合いの美しいお二人でした。
(松島勇気さんが観られなかったのは、寂しかったのですが・・・でも吉岡さんに心から拍手を送りたいです)

ハンスは人魚姫を書いて、ドーロに捧げます。

足をもらった人魚姫・・・ここでスカットルが「いつもとなんか違う。分かった
泡になる人魚姫・・・リトルマーメイドはハッピーエンドなのに・・・と思ったり。
竹内さんは、エリック王子でアリエルと結ばれたのに、今はハンスなんだな・・・と思ったり。

初見が竹内王子だっただけに、2つの作品が交差して困りました。(笑)

ハッピーエンドのリトルマーメイドもいいですが、私は幼い頃見た「人魚姫」の映画で最後に泡になるのが衝撃的で、ずっと心に残っています。

ドーロに恋したハンス。切なくも美しい恋ですね。
その他、横井漱さんのペーターは予想通り可愛くて、ゾウの太郎坊
脇を固める俳優さんがベテラン揃いでビックリしたり・・・

とても満たされた気持ちで劇場を後にしました。
これからも演じ続けてほしい演目のひとつです