久しぶりの大阪。久しぶりの梅田芸術劇場。
そして、久しぶりの保坂知寿さんの舞台。

記念すべき今年の観劇初めは、色々な点で「久しぶりづくし」の「パイレート・クイーン」でした。

一番嬉しかったのは、保坂さんが舞台でイキイキされていたこと^^

私、学生の頃からいつも舞台の保坂さん達からパワーをいただいていたので、保坂さんや山口さんがお元気だと
うんうん私も頑張らにゃ~という気になります。(笑)

今回は、2階席から。
セットはレミゼのように盆が回るのですね。
と言っても、レミゼでは盆が回る度に次々に違う場面になるのですが、こちらはそんな激しい場面転換はなく、
船のシーンがクルクル回り、色々な角度から見られるという感じでした。

アイルランドの船のシーンは回る盆の上、エリザベスの君臨するイングランドのシーンは、幕の前でという感じ。

やはり生オケは、音がいいですね。四季の地方公演は録音テープなのが不満です。ホント。

この舞台では、アイルランドらしい明るい民族音楽に乗せて、アイリッシュダンサーたちが本場の踊りを見せてくれます。
その隣でオケの人が前に出てきて、バイオリンを弾いたりするのですが、それがうまいっ。

出だしのアイリッシュダンスが終わると、山口祐一郎さんの第一声。

キーが高~~~い@@

ちょっとビックリするくらい高い歌い音で歌い始めました。
山口さんの役は若者の役だからか、全体的に高い音が多いと思いました。
以前山口さんを拝見したのはエリザベートのトート役だったのですが、その時は共演者と調和させるため(?)か
期待したような声の張りがなく残念だったのですが、この舞台では高音をめいっぱい歌ってくれて
嬉しかったです。

若者の役ですが、山口さんはバルジャンなどをこなされて貫禄たっぷりになっていますから、
軽やかな身のこなし・・・というのはあまりありません。(正直に書かんでいい?)

でも私、昔から山口&保坂ペアの舞台をたくさん観てきたからか、保坂さんの隣に山口さんがいると
安心するんですよね。
山口さんの笑顔はいくつになっても屈託がないし、保坂さん演じるグレイスを見つめる視線も温かいので
「保坂さんを見守ってあげてね」という気持ちになってきてしまうのです。(笑)
あ、山口さんの最後は、どう見てもジーザスでした。(笑)

保坂知寿さんのグレイスは、ひとめ見た瞬間、「ポリー!!」(クレイジー・フォー・ユーの)と思いました。
衣装といい、その辺の男連中よりカッコイイ役柄といい、ポリーそっくりですね。
ポリーのように絶えず笑いを取ることはなかったのですが。。。
髪の色は赤みを帯びていて、好きな色でした。

こぶしを効かせた歌い方も健在!!
両手を上にあげて熱唱するシーンではドナを思い出し、力強く決意していくシーンでは川島芳子に見えました。

そしてグレイスのパパは今井清隆さん
今井さんのパパ、いいですよね。温かくて包容力があります。
まるでレミゼのバルジャンのようだと思っていたら、召されるシーンではバルジャンそのものでした。

エリザベスの涼風真世さんは、相変わらずお綺麗で、歌も高音を美しく出しておられました。
ただ、歌うと誇り高く、喋るとアニメ声になるのがちょっと抵抗ありました。
このエリザベスの役は、エリザベートのように終始真面目に演じられてもいいのでは?

それにしても、保坂さんと涼風さんのデュエットが聴ける日が来るなんて、昔は想像できませんでしたから
贅沢だな~と感じました。

グレイス(保坂さん)がエリザベス1世(涼風さん)に直談判しに行ったのに・・・
噂には聞いていましたがあっさりまとまりすぎて、ビックリしました。
国の方針をお喋りだけで決めていいの? もうちょっと最後に一ひねりあるといいですね。

グレイスの夫、宮川浩さん
ミス・サイゴンのトゥイみたいにハスキー声で、暴力的で情けない味が出ていて良かったと思います。

石川禅さんも、エリザベスの側近としてうまかったと思います。
大活躍するような見せ場がなかったのは、勿体なかったかな?


レミゼやサイゴンのような迫り来るテーマなどはなく、ストーリー的には詰めが甘い点がある作品では
ありましたが・・・
衣装も役の性格をよく出していたし、ダンスは楽しいし、生オケだし、役者さんも力のある方ばかりだし、楽しい舞台だったと思います。